window
 
トップページ > 記事閲覧
このエントリーをはてなブックマークに追加
* BAN♰NOTE

日時: 2016/11/07(月) 15:13:55 メンテ
名前: 紅の月
参照: http://bbs14.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=sky074&mode=form

ACCESS1

「追放」

2020年9月9日 日本

1964年以来実に56年ぶりとなる東京オリンピック開催を迎えた日本。
その経済効果は計り知れず、時代の最先端を突き進むアメリカに手が届くところまで日本は経済が発達し
巷では第二期高度経済成長期などと行った言葉が次々に流行していった。

この東京オリンピック開催は表向きには何の問題もなく開催されたように思えた。

表向きには―。

この後、情報化の進んだ日本、アメリカ、韓国を中心とした壮絶な事件が表沙汰となる。

それはオリンピック開催を間近に控えた7月、水面下で始まっていた―。



2020年7月 広島


広島で教員として働く石神聖(いしかみさとし)は、
自分の勤務先である高校の生徒から人気動画投稿者 
SEN-DOH の存在を知らされる。

SEN-DOHは、国内で利用者が驚異の1000万人を誇り全世界のアプリでもユーザーが最も多い動画投稿サイト
SMILETUBEで日本で最もリスナーが多い投稿者だ。

SMILETUBEを立ち上げSEN-DOHの動画を視聴した石神。

ほかの面白い動画を探していた最中のこと。

石神は気付く。

SEN-DOHが投稿した動画と同じ内容のものが複数あること。
しかもアカウント名が異なっていること。

「これが無断転載か。」

無断転載とは
他人が編集し投稿した動画をダウンロードし、無断で投稿して収益を得ること。
いわば映画泥棒みたいなものだ。

動画投稿サイトには動画に広告を張り付けることで
広告料として収入を得ることのできるものが多い。

しかし広告料をもらうために他人の人気な動画を転載することで労せず大量の収益を得ようとする者たちが
溢れかえっている現実を目の当たりにした。

「セコイ奴ら...」

石神は憤りを感じた。

「いちいち通報するのも時間の無駄か..」

そう感じた時。

パタンッ


ノートか本が落ちたような

いや

叩きつけたような音が誰もいないアパートの一室に響き渡る。それに首を傾けた後
ゆっくりとその長身を音の方へ近づける。

あった。

何の変哲もない白いノート

BANNOTE

黒い字でそう書かれたそれをぺらりとめくる。


「読むのも面倒だなw」

型紙にイタリア語でつらつらと何かが書かれている。

どうやらルールらしい。

「デスノートみたいだな、これじゃw」

冗談にしては出来のいいノートだな、と思った。

「バンノート..」

直訳で追放ノート。

父がイタリア語の語学者だった石神は偶然イタリア語の基礎を知っていたため
ルールを読み上げた。

「このノートにアカウント名、もしくはメールアドレスを書かれた者はそのアカウントが関連するもの全てが使用不可となり、アカウントは追放(削除)される。」

「アカウント名やメールアドレスを書き込んで33秒以内に要因を書き込むとその通りになる。書き込むと更に3分34秒、詳しく記載することができる。」

「なにも書かなければ全てが第三者の申し立てによる措置となる。」


そのとってつけたようなルールばかりの、いかにも子供が作った悪戯のようなノートになんとなく興味がわいた石神は馬鹿馬鹿しいと思いながらも無断転載を行ったユーザーのアカウント名を書き込む。

      東城花子

「22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32..」

「33秒」

....


特に何かが起きた感じではなかった。

そして念のため東城の動画を見ようとマウスを動かしたその時だった。

再生ボタンをクリックするとその動画にモザイクがかかりやがてただのノイズだけの動画となり


この動画、およびアカウントすでに削除されているか、存在しません。


という警告が出る。
焦った石神はブラウザバックと再生を繰り返しほかの端末でも試みたが

東城の動画を見ることはできなかった。

「取り返しのつかないことを..」

悔やむ石神の前に、一つの人型の巨大な影が現れ、具現化する。

石神の長身を遥かに超える高身長で痩せている。

そしてその影はこう語る。

「俺の名はこのゲームの運営・ターク、そのBANNOTEの落とし主だ。面白いものを見せてもらおうか。
くくくく..」

これが、後に全世界を震撼させる無差別連続追放事件、BANNOTE事件の首謀者とことの発端を起こした張本人の、最初の顔合わせだった。

 
Page: [1]
* Re: BAN♰NOTE ( No.1 )
日時: 2016/11/08(火) 20:37:22 メンテ
名前: 紅の月
参照: http://bbs14.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=sky074&mode=view&no=152

ACCESS2

「ターク..運営..ゲーム」

「とうとうこんなものまで現れたと思ったら」

目の前の非現実的な光景に、動揺を無理に押し殺そうとしながら、しかし冷静さを欠いてはいないその健気な声でその場をやり過ごそうとする石神。

「そういうことか。」

もはやその光景を疑うことなどするそぶりもなく,半ば受け止めたように声を漏らす。

こんなものが居たら俺は他の者にどう思われるのか。
いやそもそもこんなやつがいること自体どう思われるのか。
そんな石神の些細な疑問を感じ取ったらしくタークはこう語る。

「俺は、俺の所持しているノートに触れたものにしか見えない」

石神は有り得ないだろ、幽霊かよ、と一瞬思ったが、
そもそもバンノート自体、傍から見ると有り得ない事に気付いた。

「お前は何の為にこのゲームを始めた?」

「それはいずれわかることだ」

「今この世にバンノートはいくつある」

「わからない」

タークが、そんなこと教えても面白くないだろ、という風に微笑み、たまたまそこにあったコーラを口に運ぶ。

石神はそんな光景に目を当てることなく、尋ねる。

「このノートを使う上で何か代償はあるのか?」

「コーラって美味いな」

人の話を聞け、というように呆れた表情で溜め息を漏らす。

ちゃんと聞いていたらしい。
はいはい、いうよ、とちょっと面倒くさそうに話し始める。

「代償なんてもんは存在しねえ。」

魔性のノートを使う上で代償がないなんて事があるのだろうか。

魔法使いですら魔力を使うというのに。
きょとんとする石神を見てこういう。

「強いて言えばこのゲームに負ければお前は
アカウントやメールアドレスが消える。
場合によっては警察行きかもなあ。」

「バンノートはメールアドレスがないと利用できない。」

「そうなれば所有権が消える。所有権が消えたらお前のバンノートに関する記憶は消え、俺も見えなくなる」

「ただそれだけだ」

これを聞いて吹っ切れたのか、石神は自信に満ちた表情で言う。

「分かったよ、ターク。俺はこのゲームに参加し、勝者となり、世界をも支配する」

「そして俺は、ネット界にはびこる悪なるウィルスを排除し、権利者となる。」




タークは興奮気味に言った。

「なかなか面白え。
 最後まで見届けさせてもらう。」

こうして、ターク主催の恐怖のゲームが

幕を開けた。


GAMESTART





















* Re: BAN♰NOTE ( No.2 )
日時: 2016/11/13(日) 12:04:55 メンテ
名前: 紅の月
参照: http://bbs14.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=sky074&mode=view&no=152

ACCESS3「一歩」

バンノートが石神のもとに渡ってから数日

SMILETUBE本社緊急会議

「ここ数日、多数のアカウントが不審に追放される俗にいうBAN事件の発生が相次いでいます。」

「しかも殆どが無断転載などの規約に反した動画の投稿者、もしくはR‐18に属する動画の投稿者です」

そんな話いわなくても知っている、といった表情で、話し手の社長を見る幹部。
社長は承知している、といった表情で続ける。

「さらにこの事件中、こちらでアカウントを停止したのは事件中に追放されたアカウントのうちの10分の1にも満ちません」

「そこで我々は..」

この集まりが緊急会議と銘打たれていること、この切り出し方からその内容が重大であることは分かった。

「警察庁に力を借ります」



都内警察庁

「..ということで、SMILETUBE側の要請により、我々が事件の捜査をしていくことになった」
会議の議長を務めた飯田健二が言い放つ。
これを聞いた者たちは困惑した。

「こんな不可思議な事件どうやって解決しろと?」

若手刑事の嘉田高貴(かだこうき)が聞く。

飯田はその質問を待ってました、と言わんばかりに話す。
「そこでこのような事件に関連する情報のスペシャリストが送り込まれた..!」


石神家


「なあターク、権利者は、ノート所持者はこれまでに何人追放したか覚えてるか」

不気味な笑みを浮かべて聞く。

数え切れないほどのアカウントを追放してきたからタークが覚えてるはずがない。

「50、いや60、いやいや100は行ってるな..」

「383だ」

驚いた表情で見つめるターク。

「もう後戻りはできないよな。いや..」

「戻ることは許されない..」


警察庁

「この方々がスペシャリストだ」
藤木英(ふじきまさる)が言った言葉に嘉田が反応する。

「方々ぁ?1人じゃないんですか?」

藤木は指を三本立てて見せた。

現れた1人を紹介する飯田。

「L氏だ」

Lという人物は、マスクで顔を覆い、素顔を見せる素振りはなった。

「信頼した人にしか顔は見せない」

「知り合いにもこうして活動していることは明かしていないからな」

生意気な態度に憤りを見せたものもいたが飯田が抑制した。

「あと二人は?」
嘉田が聞く。

「そこにいる」

飯田が言った方向を見ると、馴染みのある二人が立ち上がる。

「情報通信局局長水基湊嗣(みずもとあつし)、サーバー管理課課長柴多知恩(しばたしおん)だ」

「これからはこの三名を中心に対策本部を作り、進めていく」



「宜しくお願いします...」


石神家

「ここ数日、被害の相次ぐ規約違反者のアカウントの大量削除について、最も被害の多い動画投稿サイトSMILETUBE本社は今日未明、不審にアカウントが消えていて事件性があるとし、対策を進めています。」

テレビ画面から聞こえるアナウンサーの声で自身が「権利者」と、世の中でも言われ始めていることに歓喜する石神。
しかし..

「そこで、この事件を担当するL氏より番組、並びに権利者にメッセージがSMILETUBEにあがっています。」

「何?」
動揺する石神。

「面白くなってきたな..」
コーラを飲みながら愉しそうにテレビを見るターク。

途端テレビ画面が変わり、動画が再生される。

「私はこの世のあらゆるアカウントを確認できる人間、Lだ」

「お前の理想とするネット社会は素晴らしいが」

「やり方が間違っている」

ムッとした表情で見つめる石神。

「私のアカウントはこちらだ」

「今の世の中ではあらゆるものの管理をアカウントで行う」

「このアカウントを消してみろ」


そこに映し出されたアカウントを書き込む石神。

「馬鹿め..」

Cent L Riger


「30,31,32..」

「33!」

途端、画面にモザイクがかかり、アカウントが削除されたと警告される。

ニュースを見た街行く人々は騒然とする。

「ふふふ..お前が悪いんだぜ、L」

勝利を確信し、心酔する石神の表情が、急に焦りを感じさせる。

「残念だな。権利者」

「今お前が削除したアカウントは、過去に違法動画をアップしていたものの裁かれていなかったものだ」

「違法動画をすべて削除し、こちらで保護していた」

表情が凍り付く石神。

「さらにこのニュース、実は中国地方のみにローカルで放送している」

「お前は今、中国地方にいる」


「こいつを今は追放できない。なぜならこれは動画ではなくアカウントがわからないから..」


石神はただただ、テレビ画面に向かって睨んでいた。




* Re: BAN♰NOTE ( No.3 )
日時: 2016/11/19(土) 14:28:28 メンテ
名前: 紅の月
参照: http://bbs14.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=sky074&mode=view&no=152

ACCESS4 「他人」

2020年10月8日 

この「ゲーム」とタークが銘打っている事件の捜査は
水基、柴多、Lによって以前の沈黙状態からは何とか脱却することに成功したが、
それでも権利者=石神はなかなか尻尾を出さないまま事件発生から一月が経とうとしていた。

そんな中、石神はネットを開いて自分=権利者の世間の評判を調べていた。
そこで石神は権利者を熱く信奉する狂信的な掲示板を発見する。

最近では裁きの為にネットしか見ていなかったためか気付いていなかったのだが、掲示板を見てこのゲームに新たな進展があったことを知る。

それは一人のコメントによるものだった。

「最近の権利者はハードル下げてるな。」

それに一人がレスポンスをする。

「というか無差別になったきてねーか?」

それを見て石神は疑問に思った。
ハードルを下げた覚えも、ましてや無差別な裁きなどした覚えがない。

あわててバンノートに書いたアカウントを見るが、今まで通り、無断転載や公序良俗に違反した投稿、ネットを炎上させたものしか裁いていなかった。

そこに、一人から犯行予告があった。

ハデスという固定ハンドルネームをつけたその人物は、

「権利者、ハデスは地獄からの使者だ。岡山県倉敷市でこのブロガーを追放する。」

その一言に「ハデス様!」
などど狂喜する様を見て石神は初めて気づき、怒りをあらわにする。

「俺を名乗って権利者としての品格を下げている馬鹿がいる。」

「こいつは消すしかない..」

静かに、静かに、石神は動き出した。

タークは何を思ったのだろうか、自分の名誉のために戦う二人を面白いとでも思ったのか、興味津々な顔で石神についていく。


「ユーザー名知ってんなら、ここでやればいいじゃないか。」

タークが疑問に思っていたことを明かすと、石神は振り返らず、どこか狂気を感じさせる目で答えた。

「ネットで明日倉敷市に行く予定のブロガーを探した。そこでBANするということは、おそらく倉敷市の有名なところにでも行くんだろう、ハデスのコメントによると午後、駅近くの巨大デパートでやるらしい。
それをもとに調べると一人のブロガーが浮上した」

「その人間が午後、現れたときおそらく多くの観衆の前でやる気だろう、どさくさに紛れてハデスをBANし..」



「ノートを没収する」


狂った石神の、ゲームを勝ち抜き自分だけが権利者として謳歌するための計画..。

「おもしれえ、見届けさせてもらうぜ。」

タークの期待の声に微笑みながら石神が返す。




「当然だよ、ターク..」

2020年10月9日 午後2時 カガワモール


死刑、執行。


バンノートルール

ノートの所有者がBANされた場合、所有権がなくなりバンノートに関する記憶を失う。

その際、その人物は脳内で大量の記憶が処理されるためその影響で(その際の頭痛などのを感じさせないため、人間の体の保護のために)一時的に無気力となる。
Page: [1]
 
BBコード
テキストエリアで適用範囲をドラッグし以下のボタンを押します。
装飾と整形

フォント
この文字はフォントのサンプルです
リスト
標準  番号付  題名付

スマイリー
表とグラフ
データ入力
ファイルから入力(txt/csv)
要素の方向:
横軸の数値:
横軸の値 例:2009,2010,2011,2012
直接入力
凡例
カンマ区切り数値 例:1,2,3
横軸の値 例:2009,2010,2011,2012
オプション
出力内容
グラフタイプ
区切り文字
縦軸の単位例:円
横軸の単位例:年度
マーカーサイズ
表示サイズ
確認と適用
Status表示エリア
プレビュー
絵文字
連続入力
外部画像
  • 画像URLを入力し確認ボタンをクリックします。
  • URL末尾は jpg/gif/png のいずれかです。
確認ボタンを押すとここに表示されます。
Googleマップの埋め込み

  • 説明
  • 説明
確認ボタンを押すとここに表示されます。
HELP
題名 スレッドをトップへソート
名前
E-Mail
URL
添付FILE 文章合計600Kbyteまで
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

※必須

   クッキー保存